20代の私が気づかなかった「休む力」──30代でやっと学んだセルフケアの話

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20代の私が気づかなかった「休む力」──30代でようやく学んだセルフケアの話

20代前半の頃、私の私生活は落ち着く暇もないジェットコースターのような毎日でした。大学を卒業して入社した会社では毎日残業。深夜に帰り、少し早く帰れた日には誰かと飲みに行く。20時に退社できた日は“すごく早い”と感じるほどで、家に帰っても何をして良いのかわかりませんでした。そんな生活なので、土日は家事に追われ、まともな休みもなかなか取れませんでした。

疲れた頭は常にイライラしていて、人からよく見られたい私は、周りと勝手に競い合い、プライドばかり高くなっていったように思います。自分の体をいたわる時間もなく、夜はオフィスでオールブランのクッキーとチョコを食べるという生活。必要な栄養もほとんど取れていなかったと思います。

会社員の方の中には、似たような生活を送っている方も多いのではないでしょうか。当時の私は「長く働くこと」が美徳だと信じ、忙しさでマウントを取っていたような気すらします。今思い返すと、本当に恥ずかしい限りです(笑)。

さらに寂しがり屋だった私は、どんなに疲れていても誘いを断ることができず、自分のために時間を使うことはほとんどありませんでした。体や心を休める時間もなく、ひどいPMSにも悩まされていました。まさにセルフケアとは程遠い生活です。

30代で気づいた「体調管理」の本当の意味

30歳を過ぎてからは、無理が利かなくなってきたこともあり、体調や気分の変化にとても敏感になりました。マインドフルネスを通して「体の声に耳を傾ける」ことが自然とできるようになり、今日は疲れている、今は調子が良いなど、その日や時間帯ごとの変化を実感できています。

20代の頃は、自分が疲れていることすら気づかず、空いた時間をすべて仕事や予定で埋めていました。「今さら?」と思われるかもしれませんが、学校で何度も言われた「体調管理」という言葉の意味を、30代になってようやく理解できたのです。

交感神経と副交感神経のバランスを整える

20代後半になると、ときどき気分が落ちて体が重く感じることがありました。もしかすると20代前半にも同じことが起きていて、気づかなかっただけかもしれません。このことをカウンセラーの先生に相談したところ、「交感神経と副交感神経のバランスが乱れている」と言われました。自律神経のバランスを整えることで、リラックスし、健康的な精神状態を保ちやすくなるそうです。

それ以来意識しているのは、リラックスしているときの“自分の状態”を覚えておくことです。どんなときに心が落ち着くのかを知ると、自分をより深く理解できるようになります。逆に、落ち着かないときの状況も意識して記憶しておくと、「今は休憩が必要」「気分転換をしよう」といった判断ができるようになりました。

そもそも私は、リラックスや“休む”という行為そのものをしてこなかったので、方法を知らなかったのだと気づきました。常に交感神経が高い状態でイライラしているか、急降下して放心状態になるか。その繰り返しでした。少しでも時間が空くとスマートフォンを見て脳を休ませず、飲みに行ったり残業したりして体も休ませなかったのです。

生活を整えることから始めてみた

最近は、定期的にエクササイズを取り入れたり、足りない栄養を意識して補うようにしています。(この食事管理については、本当にChatGPTが役に立ちます!)PMSについても、合わないピルをやめ、体調に変化があるときは素直に休暇を取るようにしました。眠いときはコーヒーに頼りすぎず、少し昼寝をしたり、早めにベッドに入るようにしています。

たまたまルームメイトがマッサージをやっているので、定期的に彼女を施術に通うようになりました。その御蔭で自分の体のどこに疲れが溜まっているのか、仕事中の姿勢の悪さなども実感できるようになりました。仕事面でも、数時間集中すると脳がかなり疲れることがわかったため、こまめに歩きに行ったり、短い休憩を挟んだりしています。夜は紅茶をいれて照明を落とし、静かな音楽でクールダウンする時間を取るようにしました。

瞑想で気づく「自分のリズム」

そして何より効果的だったのは瞑想です。体の感覚に意識を向ける練習は、日常のあらゆる場面で役に立ちます。気分が落ち着かないときは「今は交感神経が優位なのかもしれない」と捉え、深呼吸を数回することで気持ちを落ち着けられるようになりました。

こういったことこそ、学校で教えてほしかったと思います(笑)。「体調管理」と一言で言っても、実際に何をすれば良いのかは誰も教えてくれません。

やっと少しだけ“大人”に近づいた、、?

こうした自己管理法を身につけたことで、以前よりも数段レベルアップした気がします。イライラの原因は環境や人ではなく、たいていはホルモンバランスの乱れだとわかってから、周囲にも優しく接することができるようになりました。性格も以前より穏やかになり、プライドを手放して人に素直に人に頼れるようになりました。すると不思議と、物事がうまく回り始めたように感じます。母との関係も良くなり、お酒に使うお金も減り、副業や趣味に時間を使えるようになりました。やっと少しだけ“まともな大人”に近づいた気がします(笑)。

これからのセルフケア

これから40代、50代と年齢を重ねるにつれて体もまた変化していきます。そのたびにセルフケアの方法を見直す必要があるでしょう。ただ、30代の今、自分の体と心に目を向けることを覚えたことは、これからの人生の基盤になると思います。80歳、90歳まで生きると考えれば、30代で学べたのはむしろ幸運だったのかもしれません。

おわりに

人それぞれに違った人生があり、誰もが忙しく生きている時代です。どうか自分の心と体の声を素直に聞いてあげてください。それこそが本当の意味で「自分を大切にすること」だと思います。若い頃は何度も聞いてきた言葉かもしれませんが、その本当の意味を理解できるようになるのは、少し先のことなのかもしれません。

一度、ゆっくり休んでみてください。夜はひとりで静かに過ごす時間を持ってみてください。翌日の気分がまるで違うことに気づくと思います。インスタントフードを少しお休みして、栄養のある食事をゆっくり味わってみてください。仕事を言い訳にせず、家族や大切な人と一緒に夕食を囲む時間を取ってみてください。それが、心にも体にも、そして人生にも良い循環をもたらしてくれるはずです。

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